男鹿真山伝承館
ナマハゲ習俗学習講座
なまはげ館の隣にある男鹿真山伝承館は、男鹿地方の典型的な曲家(まがりや)民家です。
ここでは、元来、民俗行事として大晦日にのみ地元の人以外には中々見ることができなかったナマハゲ習俗を広く観光客の方にも知ってもらうために、古い伝統としきたりを厳粛に受け継いでいる真山地区のなまはげ習俗が体感できる学習講座を行っています。
伝統を受け継ぐ真山のナマハゲ
真山地区では古くから伝わっているという角のないお面をかぶり、二匹一組となって家々を練り歩く。
ナマハゲは、むやみやたらに家々に入るのではない。ナマハゲを家に入れる主導権はその家の主人にある。
「先立(さきだち)」という役目の者が、家の主人にナマハゲを入れても良いかを事前に確認する。
先立の合図を確認すると、ナマハゲに扮する二人の若者はウオー!という奇声と共に乱入する。
真山のナマハゲは、その動作一つ一つに昔からのしきたりがある。やたらと動き回るだけではない。
まず家に上がりすぐに四股(シコ)を7回踏む。これで初めて家の中を歩き回ることができる。
「ナマケモノの匂いがする」「ナマケモノはいないか!」などと、荒荒しい奇声を上げ畳を強く踏みしめながら歩き回る。
そして、その家の主人が荒れ狂うナマハゲをなだめて丁重にもてなしナマハゲにお膳を添える。ナマハゲは添えられたお膳に座る前に5回シコを踏む。ウオー!ウオー!と唸っているナマハゲに主人は酒肴をすすめる。
主人とナマハゲとの間で様々な問答が交された後、ナマハゲは来年も豊作であるよう祈願し、再び立ちあがり3回シコを踏みまた歩き回る。
ナマハゲはその家を立ち去る前に「来年もまた来るぞ!」と言い残し次の家へ向かう。ナマハゲは、その家の子供達が病気や怪我などせず幸福になれるようシコを踏むのである。
家に上がってすぐ7回、お膳に着く前に5回、立ち上がる際に3回、「七・五・三」という男鹿真山のナマハゲ独自のしきたりである。
このナマハゲの伝承は今でも地域の人々の手によって受け継がれ次の世代へ、また次の世代へと継承されているのである。